
5月19日の「ボクシングの日」に東京ドームホテルで「世界チャンピオンとの懇親の夕べ」が開催された。プロボクシング世界チャンピオン会の主催で、同会が浜田剛史新会長になってから初めてとなる公式イベントである。
“ゴッドレフト”こと山中慎介さんがこの会の実行委員長を務め、会員の元チャンピオンに参加を呼びかけたもの。この日東京ドームホテルの宴会場には新旧元世界チャンピオン41名が出席し、それぞれの後援者やファンらも含め参加者は約250人にのぼった。
出席の元チャンピオンたちは、ひとりひとり高柳謙一アナウンサーから紹介されて壇上に上がり、集合写真を撮影してから会がスタートした。
日本人2人目の世界チャンピオン、ファイティング原田こと原田政彦さん(82歳)や、精密機械と異名をとった沼田義明さん、関西初の世界チャンピオン、渡辺二郎さん、“KOダイナマイト”内山高志さんといった新旧おなじみのチャンピオンの顔が揃った。昨年世界チャンピオンになって50周年を迎えた花形進(78歳)、小熊正二(73歳)の両元チャンピオンの功績を称えて花束が贈呈された。
浜田さんが沖縄出身ということもあり、同郷の具志堅用高、上原康恒、渡嘉敷勝男、平仲信明、新垣諭ら沖縄出身のチャンピオンはほぼ全員が参加。元WBAフライ級暫定チャンピオンの江藤光喜さんは自慢の三線を奏でながら沖縄民謡を披露し喝采を浴びていた。
浜田会長はあいさつで「チャンピオン会は個性の強い人間の集まりですが、そういう人たちだからこそできることもある。いろいろな活動を通じてボクシングファン、ボクシング界に恩返しをしたい」と抱負を語った。 チャンピオン会は引退した元世界チャンピオンを会員とした親睦会で、2010年にガッツ石松さんが提唱して設立された。社会貢献やボクシングの普及への協力を目的としている。
この日の目的のひとつ「能登半島地震復興支援」の一環としてチャリティー・オークションが開かれた。井上尚弥のサイン入りグローブが70万円で落札されたのをはじめ、出席した元チャンピオンの寄せ書きなどが、おなじみ渡嘉敷勝男さんの司会で次々と競りにかけられ、売り上げ金がトータルで220万3140円に達した。出席した福井県議会議員の清水智信さん(元WBWBA世界S・フライ級王者)を通じて能登半島地震の復興のために全額が寄付されることになった。
チャンピオン会は毎年この「ボクシングの日」に合わせて懇親会を開くことにしている。
Gallery●チャンピオンギャラリー (ボクシングの日の写真多数あり)
(1)41人の元世界チャンピオンが出席した懇親会から
(2)オークションの売り上げ金230万3140円が浜田会長から清水智信さん(右)を通じて被災地に届けられることに
沖縄出身の元世界チャンピオンーー左から江藤光喜、具志堅用高、浜田剛史、平仲信明、上原康恒、新垣諭≪写真提供・沖縄タイムズ≫