“早稲田初の世界王者”岩田翔吉の祝勝会 浜田会長らも祝福

 
2度目の挑戦でWBO世界L・フライ級王座を手にした岩田翔吉(帝拳)の快挙を祝うパーティーが12月14日昼、母校の早稲田大学早稲田キャンパス内のレストランで催された。
稲門拳闘俱楽部(ボクシング部OB会)の主催というのも珍しいが、岩田は早大在学時に同校チームの一員として関東大学トーナメントその他のアマチュア大会のリングに立っていた。

同校はかつて大学日本一に輝いたこともあるアマチュアボクシングの名門校。プロに転向して活躍した選手も多く、古くは「大学の虎」と畏怖され日本フェザー級王者になった後藤秀夫、1964年の東京五輪に18歳で出場しプロに転向後は日本ライト級王者として君臨した高山将孝、東洋太平洋王者になった三谷大和らがいる。「拳聖」と言われた戦前のスーパースター、ピストン堀口はプロのリングに立ちながら同校で学び、その子や孫もボクシング部に籍を置いた高山、三谷、佐々木基樹らは世界にも挑んだが、チャンピオンになったのは今回の岩田が初めてである。ボクシング部にとっても名誉なことから、OB会(遠藤寛治会長)が中心になって祝賀会開催の運びとなったもの。

この日の招待客の中には世界チャンピオン会のメンバーも。世界チャンピオン会会長で岩田が所属する帝拳ジム代表でもある浜田剛史さん(元WBC世界J・ウェルター級王者)、岩田を担当する粟生隆寛トレーナー(元世界2階級王者)、そして関東ボクシング連盟の中島成雄理事長(元WBC世界J・フライ級王者)らが駆けつけ、それぞれ祝辞を述べた。
未来のチャンピオン会メンバーでもある岩田は、これまで支えてくれた人々に感謝を述べた上で、「2度目の挑戦の機会をいただいて勝つことができました。これからも自分の苦手なところを一生懸命やってもっと強くなる自信があります」と力強く宣言。「戦いたい相手(IBF王者矢吹正道)を倒して、記録にも記憶にも残るチャンピオンになります」としっかりとした口調で今後の抱負を述べた。

乾杯の音頭を取った石井教授は岩田のゼミの担当だった恩師。担当した学生が世界チャンピオンになったのはこれが3人目といい、「岩田君はおしゃれなボクシングを目指すと言っていた」と当時を振り返った。またOBからは、同じ帝拳ジムの先輩王者大場政夫を引き合いに出し、「チャンピオンとして防衛することが大事。少なくとも大場の5回は防衛してください」などと懇願されていた。
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